腎臓から膀胱へ尿を運ぶ尿路上皮(移行上皮)から発生する悪性腫瘍です。** 両者は発生部位が異なりますが、同じ尿路上皮がん(Urothelial Carcinoma)に分類され、病理学的性質、治療方針、予後が類似しています。腎細胞がんとは異なる疾患です。
主な症状:
- 血尿:最も一般的な症状(約75~90%)。肉眼的血尿(赤い尿)または顕微鏡的血尿
- 腰痛または側腹部痛:腫瘍の増大に伴う痛み
- 排尿困難:血栓が尿管を塞ぐことによる
- 尿閉:尿が出ない(血栓や腫瘍による閉塞)
- 全身倦怠感:進行に伴う疲労感
- 体重減少:進行がんの症状
- 発熱:感染による発熱
- 腹部のしこり:進行した場合に触知される
危険因子
喫煙:
- 最も重要な危険因子。リスクが3~4倍増加
- 喫煙本数と期間に比例してリスク増加
化学物質暴露:
- アリルアミン:染料・化学工業での暴露
- 2-ナフチルアミン:禁止される前の職業暴露
- ベンゾジアジン:化学物質
- 石綿:建築・造船業での暴露
医原性(医療による)危険因子:
- 抗がん薬シクロホスファミド:膀胱がんのリスク増加
- 腎盂造影剤:一部の古い造影剤
その他の危険因子:
- 慢性的な尿路刺激:
- 尿路結石の反復
- 慢性腎盂腎炎
- 神経因性膀胱
- バルカン地域腎症(Balkan Endemic Nephropathy):バルカン諸国での地域性腎疾患
- 肥満:相対的なリスク増加
- 男性:女性の2~4倍
- 年齢:高齢(60~70歳以上)
- 家族歴:稀だが遺伝的素因がある場合がある
予防と早期発見
予防方法:
- 禁煙:最も重要な予防策。喫煙本数と期間を削減
- 職業暴露の回避:化学物質(アリルアミン、2-ナフチルアミン)への暴露を避ける
- 水分摂取:十分な水分で尿を薄めて尿路を洗浄(1日2~3リットル程度)
- 尿路結石の治療:結石を放置しない
- 肥満管理:適正体重の維持
早期発見:
- 血尿検査:健康診断での尿検査で血尿を発見
- 症状の早期受診:血尿、側腹部痛が見られたら泌尿器科へ
- 高危険群の定期検査:喫煙者や職業暴露者は定期的な尿検査
