泌尿器科宮尾クリニック 室蘭市中島町26番17号☎(0143)42-3800

腎臓から膀胱へ尿を運ぶ尿路上皮(移行上皮)から発生する悪性腫瘍です。** 両者は発生部位が異なりますが、同じ尿路上皮がん(Urothelial Carcinoma)に分類され、病理学的性質、治療方針、予後が類似しています。腎細胞がんとは異なる疾患です。

主な症状:

  • 血尿:最も一般的な症状(約75~90%)。肉眼的血尿(赤い尿)または顕微鏡的血尿
  • 腰痛または側腹部痛:腫瘍の増大に伴う痛み
  • 排尿困難:血栓が尿管を塞ぐことによる
  • 尿閉:尿が出ない(血栓や腫瘍による閉塞)
  • 全身倦怠感:進行に伴う疲労感
  • 体重減少:進行がんの症状
  • 発熱:感染による発熱
  • 腹部のしこり:進行した場合に触知される

危険因子

喫煙:

  • 最も重要な危険因子。リスクが3~4倍増加
  • 喫煙本数と期間に比例してリスク増加

化学物質暴露:

  • アリルアミン:染料・化学工業での暴露
  • 2-ナフチルアミン:禁止される前の職業暴露
  • ベンゾジアジン:化学物質
  • 石綿:建築・造船業での暴露

医原性(医療による)危険因子:

  • 抗がん薬シクロホスファミド:膀胱がんのリスク増加
  • 腎盂造影剤:一部の古い造影剤

その他の危険因子:

  • 慢性的な尿路刺激
    • 尿路結石の反復
    • 慢性腎盂腎炎
    • 神経因性膀胱
  • バルカン地域腎症(Balkan Endemic Nephropathy):バルカン諸国での地域性腎疾患
  • 肥満:相対的なリスク増加
  • 男性:女性の2~4倍
  • 年齢:高齢(60~70歳以上)
  • 家族歴:稀だが遺伝的素因がある場合がある

予防と早期発見

予防方法:

  • 禁煙:最も重要な予防策。喫煙本数と期間を削減
  • 職業暴露の回避:化学物質(アリルアミン、2-ナフチルアミン)への暴露を避ける
  • 水分摂取:十分な水分で尿を薄めて尿路を洗浄(1日2~3リットル程度)
  • 尿路結石の治療:結石を放置しない
  • 肥満管理:適正体重の維持

早期発見:

  • 血尿検査:健康診断での尿検査で血尿を発見
  • 症状の早期受診:血尿、側腹部痛が見られたら泌尿器科へ
  • 高危険群の定期検査:喫煙者や職業暴露者は定期的な尿検査

この診断は医療機関を受診される際の参考にしていただくもので、医師の診察に代わるものではありません。症状に気になる点がある方は早めに医療機関にご相談ください。