泌尿器科宮尾クリニック 室蘭市中島町26番17号☎(0143)42-3800

トレポネーマ・パリダム(梅毒トレポネーマ)という細菌による感染症です。

主に性的接触を通じて感染します。治療しなければ進行し、体の複数の器官に深刻な影響を与える可能性があります。適切な治療(通常はペニシリンなどの抗生物質)により、完治が可能です。

感染経路

  • 性的接触:膣性交、肛門性交、オーラルセックスを通じた感染
  • 皮膚から皮膚への接触:患部の潰瘍や皮疹に直接接触
  • 血液感染:輸血や針の共有(注射薬使用者)
  • 母子感染:妊娠中または出産時に母親から胎児への感染

進行段階と症状

梅毒は段階的に進行し、各段階で異なる症状が現れます。

第1期(初期硬結)

**感染後3~90日(平均3週間)**に症状が出現

  • 硬結:感染部位(性器、口、肛門など)に痛みのない硬いしこり
  • 潰瘍:硬結が潰瘍に発展することもある
  • リンパ節腫脹:患部の近くのリンパ節が腫れる
  • 治癒:治療がなくても3~6週間で自然治癒することがあるが、ウイルスは体内に残存

第2期(二次梅毒)

第1期から数週間~数ヶ月後に発症

  • 発疹:体全体に広がる皮疹(手のひらや足の裏を含む)
  • 全身症状:発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、喉の痛み
  • リンパ節腫脹:複数の部位
  • 粘膜疹:口内や性器に潰瘍
  • 脱毛:パッチ状の脱毛
  • 性病疣(せいびょうゆう):肛門周辺や性器にいぼ状の突起
  • 眼症状:結膜炎やぶどう膜炎
  • 治癒治療がなくても1年以内に自然消退することが多いが、菌は体内に残存

潜伏期(無症状梅毒)

第2期の症状が消退後から数年間

  • 外見上の症状がないが、血液検査で菌の存在が確認される
  • 感染力:弱まるが、性的接触で他者に感染する可能性がある
  • 期間:数年から数十年続く可能性

第3期(晩期梅毒)

感染後数年~数十年経過して発症(現在は日本では稀)

  • ゴム腫:皮膚や内臓に肉芽腫性病変
  • 骨・関節病変:骨の破壊、関節炎
  • 臓器障害:心臓、肝臓、神経への影響

第4期(神経梅毒)

進行梅毒の神経系への影響(治療なしに長年放置した場合)

  • 脳脊髄炎:髄膜炎症状
  • 神経変性:脊髄変性、認知症
  • 眼障害:視力喪失
  • 聴覚障害:難聴

早期治療の重要性

第1期または第2期での治療が最も効果的です。進行すると、神経梅毒など回復不可能な臓器障害が生じます。

妊娠・出産への影響

  • 先天梅毒:妊娠中の感染が、流産、死産、先天梅毒児の出生に至る可能性
  • 妊婦検査:妊娠時のスクリーニング検査が重要

予防

  • バリア避妊具の使用:コンドームやデンタルダムで感染リスク低減
  • 定期的な性感染症検査:複数のパートナーがいる場合
  • パートナーへの告知と治療:感染者の接触者も検査と治療が必要
  • 献血前の検査:感染者は献血不可

梅毒は感染初期で適切に治療すれば完全に治る感染症です。

この診断は医療機関を受診される際の参考にしていただくもので、医師の診察に代わるものではありません。症状に気になる点がある方は早めに医療機関にご相談ください。